突然、弁護士名で不貞慰謝料請求をする内容証明郵便が届くと、驚いて不安になるのが当然です。「どう対応すべきか分からない」「すぐに支払わなければ訴訟になるかもしれない」焦ってしまいます。
しかし、慌てて誤った対応をすると後に取り返しがつかなくなることもあります。
このページでは、絶対に避けるべき対応と、冷静に取るべき行動を整理して解説します。
内容証明郵便には何が書かれているのか
弁護士から送られてくる内容証明郵便には、多くの場合、以下の項目が記載されています。
- 弁護士が相手方から依頼を受けている旨
- 本人には連絡せず、必ず弁護士に連絡するよう求める旨
- 不貞行為があったという主張
- 慰謝料請求額(300万円と記載されることが多い)
- 指定された期限(かなり短いのが通常)までに支払いがなければ訴訟などの法的措置へ移行する旨
- 弁護士によっては「訴訟になればより高額の慰謝料を請求する可能性」を記載する場合もある
一般の方であれば、内容証明郵便という形式自体に不安を感じる上に、文面も厳しい口調で書かれていることが多く、精神的な圧迫を感じやすいと思います。
絶対にやってはいけない対応
言いなりに支払ったり、安易に合意すること
提示される慰謝料額は、多くが相場より高く設定されています。これは交渉戦術として一般的なもので、初期提示額をそのまま受け入れる必要はありません。
裁判になれば減額される可能性が大きいです。
しかし、一度支払いや合意をしてしまうと後から覆すことは非常に困難です。
安易に不貞を認めること
「謝罪すれば許してもらえるかもしれない」と考えて、不貞行為を認めることは厳禁です。
不貞を認める発言は、そのまま証拠として利用されます。相手が十分な証拠を持っていない場合であっても、こちらの言動が決定的な証拠となり、後の交渉や訴訟で不利になってしまいます。
事実と異なる弁明・反論をすること
相手がどの程度の事実を把握していて、どの程度の証拠を獲得できているかは分かりません。
「証拠はないはずだ」と思い込み、事実と異なる反論をしてしまうと、「証拠と矛盾した弁明をしたこと」自体が、不貞を推認させる材料になる可能性があります。
無視をすること
内容証明郵便を無視することも避けるべき対応です。連絡が取れない状態が続くと、「やむを得ず職場に連絡した」という扱いが許される可能性があります。
また、訴訟を提起されてからも無視を続ければ、相手の主張がそのまま裁判所に認定される可能性があります。
やるべき対応
まずは落ち着き、弁護士に相談する
不貞慰謝料請求は、感情的に対応すると不利になる場面が多い分野です。
専門的で客観的な判断をできる弁護士に相談し、サポートを受けながら対応することが最も安全です。
相手が設定した期限は必ずしも従う必要はないので、落ち着いて弁護士に依頼する手続きを取りましょう。
相手の主張内容を整理する
内容証明郵便には、不貞行為の時期や場所、状況などが記載されていることがあります。
- いつの出来事か
- どのような行為を不貞と主張しているのか
を冷静に確認する必要があります。
不貞行為の心当たりがあっても、相手の主張が実際の事実と異なる場合もありますので、まずは情報の整理が重要です。
相手が持つ証拠を見極める
慰謝料請求が成立するかどうかは、最終的に「証拠の有無」で判断されます。確かな証拠がなければ、不貞行為は裁判で認定されません。
- 相手が提示してきた証拠の内容
- 裁判でどの程度の証明力を持つのか
を慎重に確認することが必要です。認めるべき事実と認める必要がない部分を分け、証拠に基づいて交渉することで、適切な解決が可能になります。
まとめ
何よりも重要なのは、落ち着いて冷静に対応することです。
不安な場合には早期に弁護士に相談しましょう。