裁判所から訴状などの書類が届いたとき、請求されることが気に入らないから受け取らないという対応を取る方がいます。しかし、裁判所からの書類を受領しなくても訴訟などは有効に始まりますし、無視を続けると相手の主張通りの判決が出ることにつながります。
このページでは、送達の効果と、無視した場合の不利益を解説します。
裁判で重要な送達
送達とは
送達とは、当事者その他の訴訟関係人に対して、訴訟上の書類の内容を知らせるために、法定の方式に従って書類を交付する、または、交付を受ける機会を与える裁判所の訴訟行為です。単に、訴状などが届くという事実上の行為ではなく、訴訟手続を進める上で重要な手続きです。
送達が成立しないと裁判は進行しない
民事訴訟では、当事者に反論の機会を与えるため、送達が完了しなければ訴訟は進行しません。このため、訴訟手続では送達が完了したか否かが重要な意味を持ちます。
送達は本人限定受取郵便で届く
訴状は、本人限定受取の書留郵便で届きます。このため、本人が不在中に届いた場合には、不在票に基づいて受け取りの手続きを行う必要があります。受領時には、本人が在宅した上で、署名や押印をして受領することになります。
受け取りを拒否しても送達する方法がある
通常の送達方法で訴状が届かない場合には、差置送達・付郵便送達・公示送達などの送達方法が用意されています。これらは、本人が受け取らなくても、送達が完了したことになる送達方法です(実際の内容の解説は別ページで行います。)。
反論をしなければそのまま敗訴する
送達が完了すると、実際に本人が受け取っていなくても、訴訟が始まります。
訴訟が始まると、当事者には反論の機会が与えられたものとして扱われます。そして、相手の主張に対して、争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白した(認めた)ものとして扱われます(民事訴訟法159条)。
また、主張しなかった事実は存在しないものとして扱われます。
したがって、相手の主張に対して反論をしない場合には、相手の主張通りに事実が認定されて敗訴することになります。
裁判所からの書類を無視すると知らない間に敗訴する
裁判所からの書類を無視した場合には、知らない間に訴訟が始まることになります。そして、訴訟で反論をしなければ敗訴することになります。つまり、裁判所からの書類を無視した場合には、知らない間に敗訴判決が出ることになります。
敗訴判決が出た場合には、さらに原告によって、財産の差し押さえがなされる可能性もあります。
まとめ
裁判所からの書類は、なんとなく怖いため受け取りたくなかったり、相手の主張に争いがある場合には相手を困らせるために受け取りを拒否したくなります。しかし、書類を受け取らなくても、単に不利益になるだけでありメリットはありません。送達前に裁判の期日も決まっていますので、できるだけ早く書類を受け取って準備をするようにしましょう。
-3-150x150.png)
この記事の執筆者
寺岡法律事務所
弁護士 寺岡健一(大阪弁護士会)
※弁護士紹介ページはこちら