訴訟提起をされたが呼び出された期日に出頭できない場合の対応(民事訴訟の基本)

訴訟が提起された際、被告側の予定は考慮されずにあらかじめ日程が決められています。このため、訴状と一緒に届く期日呼出状に記載されている日程には、仕事などの予定が入っており、出頭できない場合が多いです。
このページでは、訴訟提起を受けたものの、指定された期日に出頭できない場合の対応を解説します。

民事訴訟のルール:出頭しない場合の効果

口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状

訴状が届く場合、「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」という紙が入っており、訴状が提出されたこと、口頭弁論期日、出頭場所(裁判所の法廷番号)、答弁書提出期限などが記載されています。

期日を欠席した場合の効果

民事裁判では、相手が主張する事実について争うことを明らかにしない場合には、その事実を認めたものとして扱われます(民事訴訟法159条:自白の擬制)。
このため、期日を欠席した場合には、相手が主張する事実がすべてそのまま認定され、相手の主張通りの判決が出ることになります。これがいわゆる欠席裁判と呼ばれるものです。

初回期日は欠席できる

初回期日は、訴状が送達される前に原告と裁判所の間で相談して決められています。被告は突然訴状が送られてきて、1か月程度しか猶予がない時期に期日(もちろん平日)が定められているため、初回期日に限り条件付きで欠席できる制度になっています。

答弁書は提出必須

初回期日を欠席する場合には、答弁書を提出する必要があります。
事前に答弁書を提出しておくことで、答弁書の内容を初回期日に裁判所で陳述したことになります(民事訴訟法158条)。

つまり、何もせずに欠席をするとそのまま敗訴判決が出てしまいますが、答弁書を提出した上で欠席をすれば、直ちに敗訴判決が出るわけではないということになります。

対応のポイント

初回期日に出席できない場合には、必ず答弁書を提出する必要があります。
なお、訴訟は専門性が高いため弁護士に依頼することを推奨していますので、下記はあくまでも次善の策として参考にしてください。

答弁書を提出する

初回期日に出席できない場合には、答弁書を提出しておく必要があります。
答弁書は、弁護士であれば弁護士の書式で作成しますが、一般の方が作成する場合には訴状に同封されている用紙に記載する方法で大丈夫です。

請求棄却を求める

答弁書には、記載する項目が多数ありますが、まずは「請求棄却を求める。」と記載しましょう。これは、相手の主張する結論(「●●円を支払え。」など)を認めないでほしいという意味です。

主張や認否は後でよい

裁判所から届く用紙では、主張や認否を記載することを求められていますが、これらは「追って主張する。」などと記載すれば大丈夫です。ここでの記載が誤っていると、後から変更することができませんので慎重に行うようにしてください。
特に、一度相手の主張を認めてしまうと、弁護士に依頼した後にも撤回することができなくなります。

とにかく裁判所に連絡をする

裁判所は、被告が欠席するのか出席するのか、予定があって出席できないのか、出席する気がないのかなどを知ることができません。このため、何の連絡もなく答弁書を提出せずに欠席すると、そのまま相手方主張通りの判決が出ます。答弁書が間に合わない場合であっても、裁判所に連絡をしておくようにしましょう。

まとめ

初回期日は一方的に指定されるため、出席できないのが当然です。このため、出席できない場合の措置も指定されています。
まずは落ち着いて、答弁書を提出するようにしましょう。

この記事の執筆者
 寺岡法律事務所
 弁護士 寺岡健一(大阪弁護士会)
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