不貞慰謝料請求を受けたときの法律相談のポイント

突然、不貞慰謝料の請求を受けた場合、どう対応すればよいか分からず戸惑う方は少なくありません。

このページでは、不貞慰謝料請求を受けたときに弁護士へ法律相談する際のポイントについて、相談でできること・できないことや実際の流れを含めて解説します。適切な対応の流れを把握することで、冷静に状況を整理しやすくなります。

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不貞慰謝料請求と法律相談の基本知識

不貞慰謝料とは

不貞慰謝料とは、配偶者の不貞行為(婚外の性的関係)によって精神的苦痛を受けたとして、被害者(配偶者)が不貞行為をした当事者に対して請求する損害賠償金のことです(民法709、710条)。

不貞行為は、不貞をした配偶者とその相手の双方が不法行為者となります。そのため、請求を受けるのは配偶者本人だけでなく、その交際相手(いわゆる「不倫相手」)である場合もあります。

慰謝料額はどのように決まるのか

不貞慰謝料の金額には法律上の固定額はなく、個別の事情によって異なります。一般に考慮される主な要素は次の通りです。

  • 不貞行為の期間・回数・態様
  • 婚姻関係の破綻への影響の程度
  • 請求を受けた側が既婚者であることを知っていたかどうか
  • 離婚の有無や子どもの有無などの家庭事情

これらの事情を総合的に評価した上で、交渉や裁判を経て最終的な支払額が決まります。一般的な相場としては50万円~200万円程度の範囲内で決まることが多いですが、事案によっては大きく異なることがあります。

支払い義務が生じない・減額される場合もある

不貞慰謝料の請求を受けたからといって、必ずしも全額を支払わなければならないわけではありません。次のような事情がある場合には、支払い義務が否定されたり、請求額が減額されたりすることがあります。

  • 相手方が既婚者であることを知らなかった(かつ知らないことについて過失がない)場合
  • 不貞行為が始まる前からすでに婚姻関係が破綻していた場合
  • 時効が完成している場合(不法行為を知った時から3年など)
  • 請求額が事案の実態に照らして過大である場合

これらの事情は、証拠の有無や主張の組み立て方によって結論が変わることがあります。「請求されたから支払わなければならない」と思い込まず、まず事実関係を整理することが大切です。

法律相談でできること・できないこと

法律相談は、弁護士と面談して事件解決に向けた方針を検討する場です。何が相談でき、何ができないかを事前に理解しておくと、相談を有効に活用できます。

法律相談でできること

支払い義務の有無・金額のおおよその見通しを立てる

相談時に判明している事実をもとに、支払い義務があるかどうか、あるとすれば金額はどの程度になりそうかなどを弁護士が検討します。確定的な金額の保証はできませんが、類似事案の傾向を踏まえた見通しを得ることができます。

解決までの流れと方針を整理する

交渉によって早期和解を目指すのか、訴訟も視野に入れながら強気に交渉するのかなど、相談者の目標に合わせた解決方針を検討します。交渉が決裂した場合の訴訟移行の見通しや、解決までに要するおおよその期間についても確認できます。

証拠の収集・保全について指示を受ける

裁判に備えて、反論や減額のために役立つ証拠を探したり保存したりする方法についてアドバイスを受けられます。有利な証拠を保全するだけでなく、不利に見える証拠であっても証拠隠滅と受け取られないよう、削除や廃棄を避けるべき証拠についての指示も行われます。

弁護士費用と依頼の要否を検討する

解決方針が整理された後、弁護士に依頼した場合の費用とその見通しを比較検討できます。不貞慰謝料請求の案件では、弁護士に依頼することで慰謝料額が減額され、全体的な支払額は大幅に減ることが多いです。

法律相談でできないこと

断定的な結果の予測

「絶対に払わなくてよい」「必ず●円以下に収まる」といった断定的な予測を行うことはできません。相談の段階では事実関係が完全に把握できていないこと、相手方が保有している証拠が不明であることなどが理由として挙げられます。弁護士の職業倫理上も、事件処理の確定的な結果を約束することは禁じられています。

仮定を重ねた交渉シナリオの作成

「相手から●と言われたら何と答えれば良いか」「次の段階では何をすれば良いか」といった形で、仮定を積み重ねながら個別の交渉手段を詳細に指示することは相談では行いません。弁護士が行う交渉には専門的な判断と経験が伴っており、同じ手順を本人が実施しても同様の効果が得られるわけではないためです。

相談で弁護士に伝えるべきこと

弁護士への相談を有効に活用するために、次の点を端的に伝えることが大切です。

  • 不貞慰謝料の請求を受けていること(請求書や内容証明の内容)
  • 不貞行為の有無・期間・内容などの実際の事情
  • どうしたいか(減額したい・支払い義務を争いたい・早期に解決したいなど)

弁護士には守秘義務があります。事実を正確に伝えることが、適切なアドバイスを受けるための前提となります。不利な事実も含めて包み隠さず説明するようにしましょう。

不貞慰謝料請求を受けたときにとるべき対応

まず落ち着いて初動対応を慎重に行う

請求を受けた直後は、感情的な反論や不用意な連絡を避けることが大切です。内容証明郵便が届いた場合でも、すぐに連絡を取り返す必要はありません。まず手元にある書類や関連するメッセージのやり取りなどを整理し、事実関係を確認しましょう。

証拠になり得るものは削除せずに保存しておくことも重要です。自分に有利なものだけでなく、不利に見えるものであっても後から意味を持つ場合があります。何を保存すべきかについては、弁護士に確認するのが安心です。

早めに相談する

「資料を揃えてから相談しよう」「できるところまで自分でやってみよう」と思って相談が遅れることは、状況を悪化させることになります。相談の段階で何を準備すべきかは弁護士から指示を受けられるため、準備が不十分であっても早めに問い合わせをする方が適切な対応につながることが多いです。請求を受けてからの時間の経過は、交渉の余地や選択肢に影響することがあります。

法律相談の実際の流れ

問い合わせから相談予約まで

まず電話やメールで問い合わせを行い、相談の予約を取ります。この時点では、①何に困っているか(不貞慰謝料の請求を受けたこと)、②どうしたいか(減額したい・支払い義務を争いたいなど)を簡潔に伝えれば十分です。詳しい事情は相談当日に確認しますので、問い合わせの段階で全てを説明する必要はありません。

相談までの準備

弁護士から、手元にある請求書・内容証明郵便・関連資料などを整理するよう指示を受けます。間に合わない場合でも、その旨を伝えた上で相談に臨みましょう。準備を完璧にしようとして相談が遅れるよりも、準備が不十分でも早めに相談することを優先してください。

相談当日

相談当日は、不貞行為の有無・内容・期間・相手方との関係などについて弁護士に説明します。弁護士には守秘義務があるため、不利な事実も含めて正確に伝えることが大切です。説明をもとに弁護士から解決方針と見通しが説明され、最終的に依頼するかどうかを検討します。

依頼後

依頼後は、弁護士が依頼者に代わって、交渉や裁判を遂行します。依頼者が直接に相手方や相手方の代理人と話したり、裁判に出席する必要はありません。

まとめ

法律相談では、見通しの確認・解決方針の整理・証拠の保全に関するアドバイスを受けることができます。完璧な準備を待つよりも、できるだけ早く弁護士に相談することが、適切な対応と望ましい解決につながる可能性を高めます。

請求を受けてお困りの場合は、まず弁護士への相談を検討してみてください。

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この記事の執筆者
 寺岡法律事務所
 弁護士 寺岡健一(大阪弁護士会)
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