不貞慰謝料を請求されたとき、弁護士に依頼すべきか

不貞慰謝料を請求されたとき、「弁護士に頼むべきか」「自分で対応できるのか」と悩まれる方は少なくありません。費用がかかることへの不安もあると思います。

このページでは、不貞慰謝料の法律的な仕組みと、弁護士に依頼した場合のメリットを、具体的に解説します。対応が不安な際はご相談ください。

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不貞慰謝料の基本的な法律知識

不貞行為とは

不貞行為とは、婚姻関係にある者が、配偶者以外の人と自由な意思に基づいて性的関係を持つことをいいます。一般的に「浮気」「不倫」と呼ばれる行為のうち、法律上の「不貞行為」に該当するのは、原則として性交渉または性交類似行為がある場合です。

つまり、デートや食事をしただけ、LINEやメールでやり取りをしていただけでは、原則として不貞行為には該当しません。ただし、親密な交際が継続し、夫婦の平穏な共同生活を侵害していると評価される場合には、例外的に慰謝料が認められる可能性もあります。

不貞慰謝料が発生する法的な仕組み

不貞慰謝料は、民法上の不法行為(民法709条)に基づく損害賠償として請求されます。夫婦はお互いに貞操義務を負っており、不貞行為はこの義務に違反する行為です。それにより精神的苦痛(民法710条)が生じたとして、慰謝料の支払義務が発生します。

また、不貞行為をした配偶者本人だけでなく、不貞行為の相手方(いわゆる浮気相手)も、共同不法行為者(民法719条)として損害賠償義務を負います。このため、不貞行為をした配偶者の立場だけでなく、浮気相手の立場として慰謝料を請求されるケースもあります。

不貞行為をした配偶者と浮気相手の損害賠償義務は、法律上「不真正連帯債務」と呼ばれる関係にあります。この場合、どちらか一方が慰謝料を全額支払った場合には、もう一方に対して負担部分の返還を求めること(求償)ができます。この求償の問題は、特に浮気相手の立場で請求を受けた場合に重要な交渉材料となることがあります。

不貞慰謝料の相場

不貞慰謝料の金額は、法律で一律に定められているわけではなく、個々の事情に応じて決定されます。裁判例の傾向としては、おおむね以下のような傾向があります。

  • 相手夫婦が離婚しない場合:50万円〜150万円程度
  • 不貞行為が原因で相手夫婦が別居した場合:100万円〜200万円程度
  • 不貞行為が原因で相手夫婦が離婚した場合:150万円〜300万円程度

慰謝料の金額に影響を与える主な要素としては、婚姻期間の長さ、不貞行為の期間や回数、子どもの有無や年齢、不貞行為の態様(悪質性の程度)、既に社会的制裁を受けているかどうかなどがあります。

なお、交渉の最初の段階では、300万円〜500万円程度と相場を上回る金額が主張されるケースが多いです。しかし、最初に提示された請求額がそのまま認められるわけではありません。この点は冷静に受け止める必要があります。

合意書の内容が不十分だと後から再請求されるリスクがある

当事者間で話し合いがまとまった場合でも、合意書の内容が不十分であると、同じ問題について後から再度請求されるリスクがあります。

特に確認すべきなのは「清算条項」の有無です。これは、この合意をもって当事者間の権利関係を全て解決し、今後は互いに何らの請求もしないとする条項です。この条項がない場合、合意後に追加の請求が行われる危険があります。

合意書の内容が適切かどうかは、法律的な知識がないと判断が難しいため、署名・押印の前に内容をよく確認することが大切です。

弁護士に依頼することで変わること

時間的・心理的な負担から解放される

当事者が自分で交渉を行う場合、次のような対応が繰り返されることになります。

  1. 相手方弁護士から主張書面が届く
  2. 内容を読んで理解する(法律用語の調査を含む)
  3. 反論内容を考える
  4. 反論書面を作成して送付する

慣れない方が1往復に要する時間は5~10時間程度になることもあり、これを5〜10往復繰り返すと、合計50〜100時間程度になることもあります。仕事や日常生活を続けながら、この対応を行うことは相当な負担です。

また、不貞慰謝料請求の書面には、日常生活や人間性に関する批判が含まれることもあり、心理的な負担が非常に大きくなります。弁護士が代理人として対応を引き受けることで、こうした負担を大幅に軽減することができます。

感情的な対立を避けた交渉ができる

不貞行為をめぐる紛争は、もともと感情的になりやすい性質を持っています。当事者同士が直接やりとりをすると、非難や感情的な応酬に発展しやすく、交渉が長期化したり、精神的な消耗が大きくなることがあります。

弁護士が代理人として間に入ることで、法律的な論点に基づいた冷静な交渉が可能となり、こうした悪循環を避けやすくなります。

その事案に応じた妥当な解決ができる

インターネット上には不貞慰謝料に関する一般的な情報が多くあります。しかし、慰謝料額の妥当性や交渉のポイントは、個別の事情によって大きく異なります。一般的な情報だけでは、自分のケースに当てはめた判断が難しい場面が多くあります。

弁護士は、事実関係を整理した上で、その案件の具体的な事情に応じた主張・交渉を行います。また、合意書の内容についても、後日問題が生じないよう適切な形で整えることができます。

経済的な観点から見た費用対効果

弁護士に依頼すると費用が発生します。当事務所の費用体系は以下のとおりです。

費用例(早見表)

交渉で減額した場合(当初の相手からの請求額が300万円の場合)

当初の請求額減額できた金額弁護士報酬額慰謝料と合わせた負担額当初請求との差額
300万円100万円48.4万円248.4万円-51.6万円
300万円200万円63.8万円163.8万円-136.2万円
300万円300万円79.2万円79.2万円-220.8万円

訴訟で5回の期日を経て和解・判決に至った場合(当初の相手からの請求額が300万円の場合)

当初の請求額減額できた金額弁護士報酬額慰謝料と合わせた負担額当初請求との差額
300万円100万円64.9万円264.9万円-35.1万円
300万円200万円80.3万円180.3万円-119.7万円
300万円300万円95.7万円95.7万円-204.3万円

基本的には、弁護士費用の負担を計算に入れても、弁護士に依頼した方が合計の支払額が少なくなることがほとんどです。

まとめ

不貞慰謝料を請求された場合、請求額をそのまま支払わなければならないわけではなく、交渉や裁判を通じて金額が変わることがあります。また、合意書の内容が不十分だと後日問題が生じるリスクもあります。

弁護士に依頼することで、時間的・心理的な負担を軽減しながら、法律的に妥当な解決を目指すことができます。費用対効果の面でも、減額幅が費用を上回るケース大半です。

まずは弁護士に相談し、ご自身のケースについて具体的なアドバイスを受けることをご検討ください。

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この記事の執筆者
 寺岡法律事務所
 弁護士 寺岡健一(大阪弁護士会)
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