不貞行為が原因で相手が精神疾患や通院を主張したら慰謝料額は変わる?因果関係と証拠の考え方を解説

相手方から「不貞行為が原因で精神疾患になった」「通院している」と主張されても、慰謝料が当然に増えるわけではありません。
このページでは、民法上の考え方、相当因果関係、既往症や素因がある場合の扱いを解説します。

不貞行為と慰謝料

不貞慰謝料とは

不貞行為とは、配偶者以外の人と性交渉を行うことを言います。
夫婦は互いに貞操義務を負っており、不貞行為を行った場合には、離婚原因になったり(民法770条1項1号)、不法行為に基づく損害賠償(民法709条、710条)の原因になったりします。
また、不貞行為の相手方(要は浮気相手)も同じく損害賠償義務を負います。
この不貞行為による損害賠償義務を一般に「慰謝料」と呼んでいます。

精神疾患・通院の主張だけで慰謝料が増えるわけではない

相手方が不貞行為が原因で精神疾患を患ったと主張して、精神科や心療内科への通院を始めたとしても、直ちに慰謝料の増額事由になるわけではありません。損害賠償が認められるのは、不法行為(不貞行為)と因果関係が認められる範囲です。
不貞行為の後で精神疾患に罹患したとしても、全てに因果関係が認められるわけではありません。不貞行為によるショックで精神疾患を発症したなど、不貞行為がなければ精神疾患がなかったと言えることが必要になります。

因果関係が認められても減額される可能性がある

判例は、病気の原因が被害者の基礎疾患なども複合して精神疾患を発症した場合には、過失相殺に類似した扱いをして損害賠償額を減額できると判断しています(素因減額)。例えば、通常であれば不貞行為があってもうつ病などを発症しないはずなのに、基礎疾患があったためにうつ病を発症したというような場合には、慰謝料額が減額されることになります。

まとめ

相手方が精神疾患や通院を主張した場合でも、慰謝料が自動的に増額されるわけではありません。不貞行為と精神疾患や通院との因果関係、診断書などの証拠の裏付けが必要です。さらには素因などのもともとの基礎疾患との関係も重要になります。落ち着いて冷静に対応をするようにしましょう。

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この記事の執筆者
 寺岡法律事務所
 弁護士 寺岡健一(大阪弁護士会)
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