不貞慰謝料請求の対応は、時間的、心理的な負担が非常に大きくなります。このため、支払いに異存がなくても対応を弁護士に任せたいと考えることがあります。しかし、「対応がめんどくさい」「精神的につらい」という理由だけで弁護士に依頼してもよいのかという質問を受けることがあります。
そのような理由でも弁護士へ依頼していただいて問題ございません。本記事では、不貞慰謝料請求の基本的な仕組みや、請求を受けた側の負担、弁護士に依頼する意味について詳しく解説します。対応にお困りの方は、弁護士へ相談ください。
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目次
不貞慰謝料請求の基本と弁護士に依頼する意味
不貞慰謝料とは
不貞慰謝料とは、配偶者が第三者と不貞行為(性的関係)を持ったことにより、他方の配偶者が受けた精神的苦痛に対する損害賠償です(民法709条、710条)。不貞慰謝料の請求は、不貞行為を行った配偶者だけでなく、その相手方(不貞相手)に対しても行うことができます。
不貞慰謝料の金額の目安
不貞慰謝料の金額は、個別の事情によって大きく異なりますが、裁判例の傾向としては、おおむね50万円から200万円程度の範囲に収まることが多いです。金額に影響する主な要素としては、婚姻期間の長さ、不貞行為の期間や回数、子どもの有無、不貞行為が原因で離婚に至ったかどうかなどが挙げられます。
不貞慰謝料請求の一般的な流れ
不貞慰謝料の請求は、一般的に次のような流れで進みます。まず、請求者から内容証明郵便や書面(あるいは口頭やメール)で慰謝料の支払いを求める通知が届きます。その後、請求を受けた側が回答し、金額や支払条件について交渉が行われます。交渉がまとまれば合意書(示談書)を作成して解決となりますが、交渉が決裂した場合には、調停や訴訟に発展することもあります。
請求を受けた側としては、まず請求内容を確認し、事実関係の整理や法的な検討を行った上で、適切に対応することが大切です。
不貞慰謝料請求への対応が負担になる理由
不貞慰謝料請求は、他の類型の損害賠償事件と比較して、請求者の感情的な主張が強いという特徴があります。
不貞慰謝料の場合は、金額の交渉に入る前に、行為そのものに対する怒りや不満、人格否定などが繰り返し述べられることがあります。また、こちらが金額を提示しても、感情的な言葉が返ってくるだけで交渉が進まないということも珍しくありません。
このように、不貞慰謝料請求は、金銭的な負担だけでなく、相手の感情的な主張に付き合うことによる心理的な負担も大きくなりやすく、日常生活や仕事に支障が出てしまう方も少なくありません。
法的な争いがなければ弁護士は不要というわけではない
「不貞の事実に争いがないのだから、弁護士に依頼する必要はない」または「依頼してはいけない」と考える方がいらっしゃいます。しかし、そのようなことはありません。
不貞慰謝料の事件では、不貞の事実そのものに争いがなくても、金額の妥当性や支払方法など、交渉すべき事項は多くあります。たとえば、請求された金額が相場より高い場合には減額交渉が必要ですし、分割払いの条件を取り決める必要がある場合もあります。また、合意書(示談書)の内容が不適切であると、後から追加請求を受けるなどのトラブルにつながることもあります。
法的な争いがない場合でも、適切な金額で解決するためには、法的な知識に基づいた交渉が有効です。
「対応がめんどくさい」という理由だけで弁護士に依頼してよいか
結論として、「対応がめんどくさい」「精神的に対応するのがつらい」という理由だけでも、弁護士に依頼することは全く問題ありません。
弁護士が代理人になることで、交渉窓口が弁護士になります。このため、依頼人が相手方と直接やりとりをする必要がなくなります。
弁護士の仕事は、法的な主張を行うことだけではありません。依頼者に代わって相手方との交渉窓口となり、依頼者を心理的な負担から解放することも、弁護士の重要な役割です。弁護士が代理人として交渉を行うことで、依頼者は相手方の感情的な主張に直接さらされることがなくなります。
また、心理的な負担から解放されることで、冷静に状況を判断できるようになるという効果もあります。ストレスを抱えた状態では、相手をなだめるために不必要に高い金額を受け入れてしまうなど、合理的でない判断をしてしまうことがあります。弁護士に依頼して負担を軽減することで、適切な条件での解決につながりやすくなります。
不貞慰謝料を請求されたときにまず行うべきこと
不貞慰謝料を請求された場合、まずは落ち着いて以下の点を確認することが大切です。
第一に、請求内容を正確に把握してください。誰から、どのような根拠で、いくら請求されているのかを整理します。
第二に、事実関係を確認してください。請求書に記載されている内容と、実際の事実が一致しているかを確認します。
これらの確認を行った上で、自分で対応するか弁護士に依頼するかを検討することになります。対応に不安がある場合や、精神的な負担が大きい場合には、早めに弁護士に相談することで、適切な方針を立てやすくなります。回答期限が迫っている場合でも、弁護士に依頼すれば、弁護士から相手方に対して受任の連絡をすることで、交渉の窓口を切り替えることができます。
まとめ
不貞慰謝料を請求された場合、「対応がめんどくさい」「精神的につらい」という理由だけでも、弁護士に依頼することは問題ありません。弁護士は法的な交渉だけでなく、依頼者を心理的な負担から解放する役割も担っています。負担が軽減されることで、冷静な判断が可能になり、結果として適切な条件での解決につながりやすくなります。
不貞慰謝料請求への対応にお困りの方は、法的な争いがあるかどうかにかかわらず、一度弁護士に相談されることをお勧めします。
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この記事の執筆者
寺岡法律事務所
弁護士 寺岡健一(大阪弁護士会)
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