不貞慰謝料を請求され弁護士に相談する際、支払額が減るのか、弁護士費用を含めると支払額が増えるのではないかということは、重大な関心ごとです。
この記事では、弁護士に依頼した場合に慰謝料額がどの程度減額されるのか、弁護士費用を含めた実際の負担額はどうなるのかについて、法律的な根拠や具体的な計算を交えて解説します。
慰謝料請求への対応に不安がある場合は、弁護士への相談を検討されることをおすすめします。
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目次
不貞慰謝料の基礎知識
不貞慰謝料とは
不貞行為とは、配偶者以外の人と性的関係を持つことをいいます。夫婦には互いに貞操義務があり、これに違反する不貞行為は、不法行為に基づく損害賠償(民法709条、710条)の原因となります。また、不貞行為は裁判上の離婚原因の一つとしても定められています(民法770条1項1号)。
不貞行為による損害賠償請求のことを、一般的に「不貞慰謝料」と呼んでいます。不貞慰謝料は、不貞行為をした配偶者本人だけでなく、不貞行為の相手方(いわゆる浮気相手)に対しても請求されることがあります。
不貞慰謝料の相場
不貞慰謝料の金額は、個々の事情によって異なりますが、裁判例を踏まえた一般的な相場として、50万円〜200万円程度が多くなります。
もっとも、請求する側は高めの金額を主張することが多く、最初の請求段階では300万円〜500万円程度の金額が提示されるケースが少なくありません。この請求額がそのまま認められるわけではなく、交渉や訴訟を通じて最終的な支払額が決まります。
慰謝料額に影響する主な事情
慰謝料の金額は、様々な事情を総合的に考慮して決まります。具体的には、婚姻期間の長さ、不貞行為の期間や頻度、婚姻関係が破綻に至ったかどうか、子どもの有無などが考慮されます。
たとえば、婚姻期間が長く、不貞行為の期間も長い場合には慰謝料が高くなる傾向があります。反対に、婚姻関係がすでに破綻していた場合や、不貞行為が短期間であった場合には、慰謝料額が低くなる傾向があります。
弁護士に依頼した場合の減額効果
交渉や訴訟による減額
不貞慰謝料を請求された場合、弁護士に依頼して交渉を行うことで、支払額が減額されるケースが多くあります。弁護士が代理して交渉や訴訟を行った場合には、100万円〜200万円程度の支払額まで減額できることが多いとされています。言い換えると、当初の請求額から100万円程度は減額できるケースが多いといえます。
弁護士費用を含めた実質的な負担額
弁護士に依頼すると弁護士費用が発生するため、「減額できても弁護士費用で相殺されてしまうのではないか」と心配される方もいます。しかし、多くのケースでは、弁護士費用を支払っても全体の負担額は減少します。
以下に、当初300万円を請求されたケースにおける、交渉で解決した場合の弁護士費用と負担額の目安を示します。
費用例(早見表)
交渉で減額した場合(当初の相手からの請求額が300万円の場合)
| 当初の請求額 | 減額できた金額 | 弁護士報酬額 | 慰謝料と合わせた負担額 | 当初請求との差額 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 100万円 | 48.4万円 | 248.4万円 | -51.6万円 |
| 300万円 | 200万円 | 63.8万円 | 163.8万円 | -136.2万円 |
| 300万円 | 300万円 | 79.2万円 | 79.2万円 | -220.8万円 |
訴訟で5回の期日を経て和解・判決に至った場合(当初の相手からの請求額が300万円の場合)
| 当初の請求額 | 減額できた金額 | 弁護士報酬額 | 慰謝料と合わせた負担額 | 当初請求との差額 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 100万円 | 64.9万円 | 264.9万円 | -35.1万円 |
| 300万円 | 200万円 | 80.3万円 | 180.3万円 | -119.7万円 |
| 300万円 | 300万円 | 95.7万円 | 95.7万円 | -204.3万円 |
上記のとおり、交渉・訴訟のいずれの場合でも、弁護士費用を差し引いた後の実質的な負担額は、当初の請求額よりも減少しています。もちろん、個別の事案によって結果は異なりますが、多くの場合、弁護士費用の支出を踏まえても全体の支払額を減らせる傾向にあります。
慰謝料請求を受けたときの対応のポイント
不貞慰謝料の請求を受けた場合には、次の点に注意して対応することが重要です。
第一に、すぐに相手方に回答しないことです。請求書を受け取って動揺し、すぐに言質をとられるような発言をしたり、相手方の要求をすべて受け入れてしまったりするケースがあります。しかし、一度合意した内容は撤回できません。回答の前に、自分の法的な立場を正確に把握することが大切です。
第二に、証拠を確認することです。相手方や自分がどのような証拠を持っているかによって、慰謝料の金額や交渉の方針が変わります。不貞行為の存在自体を争える場合もあれば、不貞行為は認めつつも金額の減額を目指す場合もあります。
第三に、早い段階で弁護士に相談することです。弁護士に相談することで、請求内容の妥当性を確認し、適切な対応方針を検討することができます。相手方とのやりとりを弁護士に任せることで、精神的な負担の軽減にもつながります。
まとめ
不貞慰謝料を請求された場合、弁護士に依頼することで支払額を減額できるケースが多くあります。弁護士費用を含めた実質的な負担額を見ても、弁護士に依頼した方が全体の支払額を抑えられる場合が多いです。また、相手方とのやりとりを弁護士に任せることで、精神的な負担を軽減することもできます。
まずは弁護士に相談し、ご自身の状況について法的な見通しを確認してください。
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この記事の執筆者
寺岡法律事務所
弁護士 寺岡健一(大阪弁護士会)
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