起訴後に身柄拘束が続くと社会復帰が難しくなるため、早期の保釈を獲得することが重要です。
このページでは、保釈が認められやすい事情と整え方を解説します。
保釈が認められやすい事情
保釈とは
保釈とは、起訴された後に、勾留による身体拘束をいったん解き、一定の条件を守ることを前提に、身柄を外に出す制度です。裁判所が定めた保釈保証金(いわゆる保釈金)を納付して釈放されます。
保釈保証金を納付させることで、逃亡や罪証隠滅を防げるという場合に保釈がされます。
保釈の判断は、逃亡のおそれと罪証隠滅のおそれがポイント
保釈の判断において、裁判所が強く意識するのは、次の2点です。
- 逃亡のおそれ(所在不明になり、公判に出頭しなくなるリスク)
- 罪証隠滅のおそれ(証拠を消す、関係者に口裏合わせをする、被害者や証人に働きかける等のリスク)
刑事訴訟法では、原則として保釈を許さなければならない類型(刑事訴訟法89条)と、事情により保釈を許せる類型(刑事訴訟法90条)があります。
どちらの場合でも、逃亡のおそれと罪証隠滅のおそれが重要なポイントになります。
身元や生活基盤
身元や生活基盤がしっかりとしていることは、逃亡のおそれが小さいと判断される理由になります。
- 住居が明確で安定している
- 家族などと同居している、または同居することができる
- 定職についている
これらの事情があると、そのような生活基盤を捨ててまで逃亡する可能性が低いという判断になります。
証拠関係
次のような事情は、罪証隠滅の可能性を下げる要素と判断されます。
- 客観証拠が押収済みで、隠滅できる証拠が少ない
- 被害者・重要証人・共犯者との距離があり、接触しにくい
- 被害者への接触禁止などの条件を守れる
これらの事情は、そもそも証拠隠滅が不可能であったり、証拠隠滅を試みる可能性が低いという判断に導きます。
罪の重さ
罪が重い場合(実刑が確実など)には、刑罰を避けるために逃亡や証拠隠滅を試みる可能性があるという判断に導きます。逆に、罪が軽い場合(罰金にとどまったり、執行猶予が見込まれる場合)には、刑罰を避ける必要がなく、逃亡や罪証隠滅を図る可能性は小さいという判断に導きます。
薬物事件の場合
薬物事件においては、所持していた物や尿検査の結果など、すでに捜査機関が押収している証拠が、裁判における重要な証拠となります。このため、そもそも証拠隠滅自体が困難な犯罪類型になります。
このため、親族に身元引受人になってもらうなど、裁判所への出頭の確保を図ることができる事情を整えることで、保釈が認められやすくなります。
まとめ
薬物事件の場合には、早期に社会復帰をして、社会の中で更生をするために、保釈を獲得することが重要になります。親族などにおいては、身元引受に協力していただき、保釈の獲得に協力していただけるようお願いいたします。
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この記事の執筆者
寺岡法律事務所
弁護士 寺岡健一(大阪弁護士会)
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