被疑者が逮捕された際、接見禁止がつくことがあります。接見禁止がつくと、親族や友人などと面会を行うことができなくなります。このページでは接見禁止について解説します。
目次
接見禁止が付く場面と法的な意味
接見交通権とは
身体を拘束されている被疑者・被告人は、弁護人(または弁護人になろうとする者)と、立会人なしで面会し、書類や物をやり取りできます。これが「接見交通権」です。
これによって、被疑者は弁護士と相談しながら、取調べ対応や刑事裁判の準備をすることができるようになります。
弁護士以外との面会も本来は可能
通常は、弁護士以外の者(家族や友人)についても面会が可能です。ただし、取り調べとの関係や、1日当たりの面会制限などが発生します。また、弁護士とは異なり留置施設の者による立会いがつきます。
これによって、被疑者を元気づけたり、差し入れを行うことが可能になります。
接見禁止(接見等禁止決定)とは
接見禁止とは、勾留されている被疑者について、弁護人等以外の人との面会(接見)を、裁判所が禁止できる制度です。決定は、検察官の請求により、または裁判所の職権で出されます。
対象は「弁護人等以外」であり、弁護士との接見そのものを禁止する制度ではありません。つまり、弁護士は接見禁止がついていても自由に面会を行うことができます。
「逃亡」または「罪証隠滅」の具体的なおそれがあるときに付く
接見禁止が付くのは、裁判所が「逃亡し、又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」があると判断した場合です。ポイントは、単に勾留(身柄拘束)をするだけでは足りず、外部との接触があることで、口裏合わせ、証拠の隠匿・改ざん、関係者への働きかけ等が現実的に起きると見込まれるか、という点です。
重大事件や、組織犯罪のように、面会を通じて口裏合わせや、罪証隠滅の指示を行い得るような事件で接見禁止が付くことが多いです。
薬物事件(使用)で接見禁止が付くことは稀
薬物事件(使用)では、もともと薬物自体や、尿検査などがされており、外部に重要な証拠が残っていることは少ないです。また、被疑者が売人などの情報を十分に知っていることも少ないです。このため、薬物事件(使用)では、外部に隠滅することが可能な証拠自体が残っていないため、罪証隠滅の現実的な可能性が低く、接見禁止がつくことは稀です。
なお、同じ薬物事件でも、営利目的所持(いわゆる売人)については、重大な組織犯罪であるため接見禁止がつくことが多いです。
まとめ
薬物の使用事件で接見禁止がつくことは稀です。家族や友人が逮捕された場合には、できるだけ頻繁に接見に行くようにして、本人を元気付けてあげるようにしましょう。
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この記事の執筆者
寺岡法律事務所
弁護士 寺岡健一(大阪弁護士会)
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