黙秘権を行使しても不利にはなりません

取り調べにおいて「黙っていると不利になる」と言われることがありますが、被疑者には黙秘権があり、黙っていても不利にはなりません。しかし、ずっと黙っていることは簡単ではありません。
このページでは、黙秘権の効果と黙秘権行使のポイントを解説します。

黙秘権とは

黙秘権とは

黙秘権とは、捜査機関や裁判所から質問されても、話すことを強制されない権利です。取調べ(捜査段階)では、被疑者の供述は強制できず、取調べに先立って「意思に反して供述する必要がない」ことを告げる義務があります(刑事訴訟法198条2項)。

黙秘は不利にならない

黙秘権の行使が被疑者や被告人の不利益になることはありません。
例えば

  • 黙秘していることを「反省していない。」などとして刑を重くする材料とされることはありません。
  • 黙秘していることを「やましいことがあるので黙っている。」などとして不利な事実を推認する要素にされることはありません。

このように、黙秘権行使は被疑者や被告人の不利にはなりません。

黙秘権行使のポイント

黙秘と言っても完全に黙っている必要はなく、いくつかの方法があります。弁護人と相談しながら方法を検討しましょう。

完全に黙秘する

有利な事実、不利な事実を問わず、取調において一切何も話さないというものです。これは、想像以上に負担が大きくなります。
捜査機関に、情報を一切渡さないという方針の時に取ることになります。

話したい情報だけを話す

自身が話してもよいと考える情報だけを話すというものです。どの事実を話すべきかは高度に複雑な法律判断になりますので、弁護人と十分に相談する必要があります。重要なのは、有利・不利などを考えながら話すかどうかを決めるのではなく、事前に話すと決めた事実だけを話すことです。

何でも話すが供述調書の押印は拒否する

取調において、世間話から事件の情報まですべてを話すものの、取調後の供述調書への署名や押印を拒否するものです。この場合には、捜査機関に情報は与えるものの、供述内容を証拠として使用することはできなくなります。
黙秘による被疑者の負担が小さくなるため、薬物事件においては、この方法による黙秘を推奨しています

まとめ

黙秘権は、被疑者や被告人に認められた正当な権利です。黙秘したからといって不利になることはありませんので、話したくないことは話さなくてかまいません。
また、捜査機関には被疑者の供述がなくても立証ができるだけの十分な捜査が求められます。

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この記事の執筆者
 寺岡法律事務所
 弁護士 寺岡健一(大阪弁護士会)
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