不貞行為を言いふらされた場合の対処

不貞慰謝料を請求されている際に、不貞行為の事実を言いふらされた場合には、相手に対する損害賠償を請求できる場合があります。
このページでは、名誉棄損やプライバシー侵害について解説します。

不貞行為と第三者への拡散は別々の法的問題である

不貞慰謝料とは

不貞行為とは、配偶者以外の人と性交渉を行うことを言います。
夫婦は互いに貞操義務を負っており、不貞行為を行った場合には、離婚原因になったり(民法770条1項1号)、不法行為に基づく損害賠償(民法709条、710条)の原因になったりします。
また、不貞行為の相手方(要は浮気相手)も同じく損害賠償義務を負います。
この不貞行為による損害賠償義務を一般に「慰謝料」と呼んでいます。

名誉毀損とは

名誉毀損は、人の社会的評価を低下させる事実を示して、その名誉を害する行為であり、不法行為として損害賠償の対象になります(民法709条、710条)。内容や方法によっては刑法上の名誉毀損罪(刑法230条)が成立することもあります。
「不倫をした」「既婚者と肉体関係を持った」といった内容は、一般に社会的評価を下げるものであるため、会社、取引先、親族、友人などに言いふらした場合には、名誉毀損として損害賠償の対象となる場合があります。

プライバシー侵害とは

プライバシー侵害は、私生活上の事実や、みだりに他人に知られたくない内容を、第三者に教えた場合に成立します。
不貞の有無、交際関係、性的関係の有無、やり取りの内容などは、通常、私生活に深く関わる情報です。そのため、たとえ真実であっても、無関係な第三者に広める行為は、プライバシー侵害として不法行為が成立し、損害賠償の対象になりえます(民法709条、710条)。

真実でも自由に言ってよいわけではない

名誉毀損については、公共の利害に関する事実であり、公益目的であり、真実の立証がある場合には、違法性が阻却されるとされています(刑法230条の2)。民事でも同様の条件を満たす場合には不法行為に該当しないと解釈されています。
しかし、政治家などではない一般人の不貞行為がこの要件に該当することはまずありません。このため、たとえ真実であっても、第三者に伝えた場合には名誉毀損として不法行為に該当します。

言いふらされた場合の対処

損害賠償請求を行う

もっともストレートな方法は、言いふらした相手に対して損害賠償請求を行うことです。前述の通り、名誉毀損やプライバシー侵害として不法行為に該当するため、損害賠償請求を行うことができます。
ただし、名誉毀損やプライバシー侵害による損害賠償額は低額に評価されるため、請求の負担を考えるとあまり効果的ではありません。

合意相殺を求める

より現実的な方法として、合意相殺を求めることが考えられます。
例えば、相手に支払わなければならない不貞慰謝料額が200万円、相手に請求できる名誉毀損による慰謝料額が30万円と仮定します。このような場合に、相手に請求できる慰謝料額を相殺した170万円のみを支払うと主張するものです。
実質的には、相手が行った名誉毀損を、不貞慰謝料減額の材料にすることになります。

まとめ

不貞行為を行ってしまったからといって、それを言いふらすなどの名誉毀損が許されるわけではありません。相手の違法行為に対しては、毅然と適切な反論を行うようにしましょう。

※不貞慰謝料請求のページはこちら。

この記事の執筆者
 寺岡法律事務所
 弁護士 寺岡健一(大阪弁護士会)
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