国が認めた借金減額手段って何?|任意整理

インターネットを閲覧していると「国が認めた借金減額手段」などという広告が出てくることがあります。
これはいったいどういうものでしょうか?

借金と返済額

100万円の借金を毎月2万円ずつ返すと返済には何年かかるでしょうか?

100÷2で50か月とはなりません。

返済中にも利息が付くので、実際には77か月かかって約155万円を返済することになります。
逆に、先に期間を決めて、例えば

5年間で完済しようとすると、約2.4万円返済する必要があります。

任意整理

そこで登場するのが任意整理です。

これは、月々の返済額と返済期間を合意することで、その約束通りに返済している間は利息が発生しないようするというものです。

この場合、100万円を5年間で返す場合には、月々1.7万円返済することになります。

任意整理をしない場合と比較して約7000円返済額が減っています。
総返済額については、普通に5年間で返済する場合と比較して約30万円減ることになります。

国が認めた?

広告で「国が認めた」などと書かれていることがありますが、特に政府が積極的に推奨している制度というわけではありません。
単に「国が禁止していない」くらいの意味ととらえた方がいいでしょう。

他にも「国が認めた●●」という広告を見ることがありますが、あくまでも国が禁止していないだけであり、国が推奨しているというものではないと考えた方がいいでしょう。

独立・起業前に注意すべき法的リスク|競業・退職金・訴訟対策

法務はある程度事業が大きくなってからと考える事業者が多いですが,実際はかなり早い段階から考える必要があります。 今回は,独立前から注意すべき事項を紹介します。

1 退職前に会社を設立し,あいさつ回りをすること

⑴ 副業禁止規定との問題

最近は副業を許容する会社も増えてきていますが,依然として就業規則で副業を禁止している企業が多くあります。

もし,就業規則で副業を禁止している場合には,会社設立やあいさつ回りは禁止された副業に当たるとして懲戒処分がされる可能性があります。仮に,減給や解雇がされた場合には,収入が途絶えて独立後の資金計画に影響を与える可能性があります。

ここで,副業禁止規定が有効かという問題があります。

勤務時間以外の私生活上の時間は労働者が自由に利用できるため,勤務に支障をきたすなどの合理的な理由がなければ副業を禁止することはできません。

勤務時間外に仕事に差し支えない範囲で行う場合には,副業禁止規定との関係では許容されるといえるでしょう。

⑵ 競業禁止との問題

競業については,就業規則に規定がなくても禁止されると解釈されています。

したがって,行おうとしている業種が勤務先と競業する場合には,たとえ勤務時間外であっても営業活動と解釈されうるような行為は避けたほうがよいでしょう。 単に登記のみを行ったり,独立の予定を伝えるのみで営業活動を行わないのであれば適法とされる余地がありますが,勤務先との紛争リスクを抱えるという問題が生じます。

2 同僚を引き抜くこと

従業員の引き抜きについては,引き抜きが違法であるとして元勤務先から損害賠償請求をされる場合があります。

ただし,引き抜かれる従業員にも職業選択の自由があるため,引き抜き行為は原則として違法とはなりません。

勤務時間中に勧誘を行う,執拗な勧誘を行う,あえて勤務先を害するような退職方法をとらせるなどの事情があると違法とされるような場合があります。

3 退職金

会社によっては「退職後に競業他社に就職した場合には退職金を支給しない。」と規定されていることがあります。

就業規則にこのような規定があり,行おうとしている事業が競業する場合には退職金が支給されないケースがあります。

裁判上,このような規定は,一定の範囲の減額については許されるが全額の不支給は許されないと判断されることが多いです。

自社の退職金規定を確認し,退職金が不支給となったり減額される可能性があるかを調べ,不支給や減額された場合でも資金計画に支障が生じないかを検討する必要があります。

4 訴訟リスク

法的に問題がないように注意して開業準備をしていったとしても,勤務先から何らかの法的主張をされる可能性は残ります。

例えば,退職した後に,元勤務先が「競業避止義務に違反したから退職金を一切支払わない。」という扱いをした場合を想定します。

この場合,訴訟を提起して勝訴判決を得ることで退職金の支払いを受けられる可能性が高いです。しかし,判決を得るまでに短くても1年程度の期間がかかり,訴訟費用も別途必要になります。

このため,「退職金を営業開始後1年間の経費と生活費に充てる。」という予定は崩れてしまうので,この期間の資金を別途用意する方法を検討する必要があります。

このように,法的問題点の判断だけでなく,トラブル発生の可能性と対応に要するコストも併せて検討する必要があります。