会社の組織設計

 取締役や取締役会などの会社の組織設計を行う場合には、会社の規模や戦略に応じて適切なものを選択する必要があります。

1 会社法上,会社の機関としては以下のものが定められています。

株主総会
取締役・代表取締役
取締役会
監査役
監査役会
会計参与
会計監査人
各種委員会(指名委員会,監査委員会,報酬委員会)
執行役
監査等委員会

2 上記機関のうち,どの機関を設置するかは会社法に規定があります。

いくつかの組み合わせがありますが、どの組み合わせであっても,株主総会と取締役は必ず設置しなければなりません。

また,上部に記載している機関ほど小規模な会社を想定しており,下部に記載している機関ほど大規模な会社を想定しています。


スタートアップで想定される機関設計としては,

①株主総会+取締役
②株主総会+取締役会(取締役3名+そのうち1名を代表取締役に選出)+監査役

のどちらかが多いと考えられます。
①の場合であれば,取締役の判断でほとんどの業務を決定することができ,迅速かつ柔軟な事業運営を行うことができます。
②の場合であれば,意思決定を取締役会で決議する必要があるため,迅速な事業の運営は難しくなります。他方,複数の取締役で監視しあい,監査役による監査も行われるため, 信用が高くなり,出資を募ることや借り入れを行いやすくなるなど,資金調達を行いやすくなります。

基本的には,①の機関設計で事業を開始して,ある程度規模が大きくなって増資を考える場面において,②の機関設計に移行する方針でよいでしょう。
当初からある程度の規模で事業を始める場合や,第三者から出資を受ける場合などには,最初から②の機関設計で事業を始めることも考えます。

会社を設立する時点において,将来のビジョンや,それに基づいた機関設計を考えるようにしてください。