【解決事例】家賃収入の行方が不明な不動産相続を遺産分割調停で円満に解決した事例

ご相談内容

ご相談者のXさんは、2年前にお母さまを亡くされました。
相続人は、Xさんとご兄弟のZさんのお二人です。

お母さまの相続財産には、預貯金のほか、複数の不動産が含まれており、その一部は他人に賃貸して家賃収入が発生していました。
しかし、お母さまのご逝去後、家賃の振込が止まり、入金の行き先が分からない状態となっていました。

XさんはZさんに家賃の状況を確認しましたが、回答が得られず、不動産相続と遺産分割の進め方に不安を感じ、当事務所へご相談に来られました。

弁護士による対応と解決の流れ

まず、弁護士が相続財産の全体像を明らかにするため、

  • 不動産の登記事項の調査
  • お母さま名義の預貯金口座の取引履歴の取得
  • 不動産の評価額(時価)の調査

を行いました。

その後、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、家賃収入の行方についての開示を求めました。
調停の結果、家賃はZさんが受け取っていたことが判明。
一方で、Zさんは建物の修繕・管理費用を負担していたため、合理的な管理費用については相続財産から差し引くこととしました。

最終的に、以下の内容で遺産分割の合意が成立しました。

  • 不動産・預貯金・家賃収入から合理的な管理費用を控除した金額を相続財産とする
  • 相続財産を2分の1ずつ分ける
  • Xさんは現金で、Zさんは不動産と預貯金で受け取る

これにより、Xさんは遠方のN県へ出向くことなく、相続手続きをすべて完了することができました。

弁護士からのコメント

相続人の一方が財産を管理していて、他の相続人が内容を把握できないケースは珍しくありません。
しかし、弁護士が調査を行うことで、正確な財産の内容や家賃収入の流れを明らかにし、公平な遺産分割を実現することが可能です。

「相手が財産を開示してくれない」「家賃収入の管理状況が不明」など、
不動産相続に関するお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。