BitTorrent(トレント)の著作権侵害|損害賠償の相場と対応を解説
請求書に記載された金額は、そのまま支払うべき確定額とは限りません。賠償額は法律上の算定方法に基づいて決まるため、提示された金額より低い金額で解決できる場合も少なくありません。
BitTorrent(トレント)を使ったダウンロードで、ある日突然、高額な損害賠償を求める書面が届くことがあります。金額の大きさに驚いてしまう前に、なぜ請求が来るのか、賠償額はどう計算されるのかを知ることが大切です。この記事では、その仕組みと相場、そして提示された金額への向き合い方を弁護士が解説します。
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提示された金額をそのまま支払う必要があるとは限りません。請求額への向き合い方を見る
BitTorrent(トレント)による著作権侵害で損害賠償が発生する仕組み
BitTorrentによる著作権侵害で損害賠償を請求されたとき、多くの方がまず気にされるのは、支払わなければならない金額だと思います。ここではまず、なぜ請求されるのか、そして賠償額がどのように計算されるのかを、順に見ていきます。
BitTorrent(トレント)と損害賠償の関係
BitTorrentには、ファイルをダウンロードすると同時に、そのファイルの一部または全部を他の利用者へ自動的に送り出すしくみがあります。つまり、ダウンロードをしている間に、自分でも気づかないうちに違法なアップロードを行っていることになります。
この違法なアップロード(著作権法上の「送信可能化」)が他人の著作権を侵害する行為に当たるとして、不法行為に基づく損害賠償(民法第709条)を請求されるのが、BitTorrentに関する損害賠償請求です。
損害賠償額は「アップロード数×販売金額」が原則
著作権を侵害した場合の損害賠償額の計算方法は、著作権法第114条に定められています。細かな例外や手数料の控除などはありますが、基本的には「アップロードした回数 × その作品1つあたりの販売金額(利益)」が、賠償額を考えるうえでの原則になります。
そのため、同じ作品でも、アップロード(送信)した回数が多いほど賠償額は大きくなり、逆に回数が限られていれば、賠償額もその範囲にとどまります。請求された金額が妥当かどうかを考えるうえで、この算定の考え方を知っておくことが出発点になります。
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BitTorrent(トレント)の損害賠償の相場と請求額への向き合い方
ここまで、賠償額が法律上どのように決まるのかを見てきました。次に、実際に請求される金額の相場と、提示された金額にどう向き合えばよいのかを確認します。
請求される金額(示談金)の相場
実際に著作権者から、示談(話し合いによる解決)の提案として示される金額は、数十万円程度であることが多いです。
ただし、これはあくまで著作権者側が提示する金額です。次に説明するとおり、最終的に支払うべき金額とは一致しないことがあります。
請求された金額が、そのまま支払う金額とは限らない
請求書に書かれた金額を見て、「この金額を必ず全額支払わなければならない」と感じてしまう方は少なくありません。しかし、示談の提案として示される金額は、あくまで著作権者側が提示した希望額であり、確定した支払義務の額ではありません。
最終的に支払うべき金額は、先ほど説明したとおり、アップロードの回数などに基づいて算定されます。提示されている金額は、これよりも割高であることが多いため、内容を確認したうえで、適切に交渉していくことが大切です。
(示談の提示額)
(交渉・手続を経た額)
まとめ
BitTorrentによる著作権侵害では、ダウンロードと同時に行われるアップロード(送信可能化)が問題となり、損害賠償額は、送信した回数と作品1つあたりの利益をもとに、著作権法第114条に沿って判断されます。請求される金額は数十万円程度のことが多いものの、それがそのまま確定した支払義務額とは限りません。金額の大きさに驚かず、まずは事実と妥当性を確認することが大切です。
一方で、金額に驚いて慌てて全額を支払ってしまったり、逆に不安なまま請求を放置してしまったりすると、本来より高い金額を負担することになったり、その後の手続で不利な立場に置かれたりするおそれがあります。提示された金額が妥当かどうかは、ご事情によって変わります。対応に迷うときは、一度弁護士へご相談ください。請求書の内容とご事情を伺えば、賠償額の見通しと、適切な対応をお伝えできます。
この記事の執筆者
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