BitTorrent(トレント)で損害賠償の請求書が届いたら|弁護士が解説
請求書が届いても、その書面だけで、ただちに財産を差し押さえられるわけではありません。しかし、放置すると裁判に移行して、請求がそのまま認められるおそれがあるため、回答期限内に適切に対応することが大切です。
BitTorrent(トレント)を使ったことで、著作権者から損害賠償を求める請求書(内容証明郵便などの書面)が届き、「どうすればいいのか」「家族に知られてしまうのではないか」と戸惑っていませんか。この記事では、BitTorrentによる損害賠償請求の法的なしくみと、請求書が届いたときに取るべき対応を、弁護士がわかりやすく解説します。
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請求金額の妥当性や時効など、検討すべき法的論点は多岐にわたります。取るべき対応を見る
BitTorrent(トレント)利用による損害賠償請求のしくみ
請求書にどう対応するかを考える前に、まず、なぜBitTorrentの利用で損害賠償を請求されるのか、その法的なしくみを確認します。
公衆送信権・送信可能化権とは
著作権法第23条第1項では、著作権者に「公衆送信権」と「送信可能化権」が認められています。そのため、著作権者でない人が著作物を勝手にアップロードすると、違法アップロードになります。
BitTorrentでは、ダウンロードと同時に、自分の端末上にあるファイルの一部を他の利用者へアップロードする仕組みになっています。そのため、利用者が「ダウンロードしただけ」と認識していても、実際には違法アップロードをしていることになります。
損害賠償が認められる根拠と算定方法
違法アップロードは不法行為(民法第709条)に当たるため、著作権者は、違法アップロードをした人に対して損害賠償を請求することができます。
損害額については、著作権法第114条第1項に推定の規定があります。BitTorrentの事案では、おおまかには「違法アップロードした回数 × 動画の販売・配信価格」と理解しておけば大丈夫です(厳密には、販売・配信手数料などがかかるため、若干の差異が生じます)。
内容証明郵便の法的な意味
損害賠償の請求書は、内容証明郵便という形で届くことがよくあります。内容証明郵便は、いつ・誰が・誰に・どのような内容の文書を送ったかを、日本郵便が証明する制度です。郵便物そのものの性質を整理すると、次のようになります。
判決のように、相手方の財産を差し押さえるような強制力はありません。届いたこと自体で、ただちに財産を取られるわけではありません。
ある程度本気で請求してきていると推測することができます。強制力がないからといって、放置してよいという意味ではありません。
知らなくても責任は免れない
BitTorrentは、ダウンロードと同時にアップロードをする仕組みになっており、この仕組みは利用者に公開されています。そのため、アップロードに関与していることを知らなかった場合でも、過失が認められ、違法アップロードについての損害賠償責任を免れることはできません。
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請求書を受け取ったときに取るべき対応
では、実際に請求書を受け取ったとき、どう対応すればよいのでしょうか。大切なポイントは2つあります。
無視してはいけない
無視をすると、通常は何度か請求の連絡が行われます。それでも支払いがない場合には、裁判手続きなどに移行する可能性が出てきます。さらに、裁判の呼び出しなども無視してしまうと、相手の請求がそのまま認められてしまう可能性があります。法律的に妥当な金額の支払いで解決するためにも、無視せず、適切に対応することが重要です。
特に、家族などに秘密にしておきたい場合は、請求の書面が何度も届くことで、かえって発覚する可能性が高くなってしまいます。
早期に弁護士へ相談することが重要です
まずは請求書に記載された回答期限を確認し、その期限内に対応方針を決める必要があります。検討すべき法的論点は、次のように多岐にわたります。
- 請求金額が、事案に照らして妥当か
- 対象作品の特定や、送信記録の特定が正確か
- 消滅時効が成立していないか
相手方は、同種の事件を多数取り扱う法律事務所であることが多く、ご本人だけで対応することは現実的ではありません。弁護士に依頼することで、請求内容の妥当性の検討、減額や分割払いの交渉、示談書の内容チェックなどを進めることができます。また、弁護士を窓口にすることで、家族などに発覚する可能性を大幅に減らすことも可能になります。
まとめ
BitTorrentの利用による著作権侵害では、請求書を放置してしまうと、請求された金額がそのまま認められてしまったり、何度も届く書面によって家族に知られたりするリスクが高まります。だからこそ、まずは回答期限内に対応することが大切です。
一方で、慌てて請求どおりの金額を支払ってしまうことが、適切とは限りません。請求金額が事案に照らして妥当か、対象作品や送信記録の特定が正確か、消滅時効が成立していないかなど、検討すべき法的論点は多岐にわたります。期限内に状況を整理し、適切な解決へつなげるためにも、お早めに一度弁護士へご相談ください。
この記事の執筆者
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