養育費はいくらが目安?「算定表」の見方は?
離婚後に子どもを育てる親は、日々の生活費や教育費を負担することになります。
しかし、もう一方の親にも、子の生活を保持する義務があります。
そこで、子の生活を維持するために支払われる費用が「養育費」です。
養育費の金額の考え方
養育費の金額は、両親の収入から子の生活に一定の割合を支出すると仮定した上で、その負担を収入比率に応じて分配するという考え方が基礎になっています。
しかし、個別の家庭ごとに詳細な計算を行うのは現実的ではありません。
そこで裁判所は、この計算を標準化した「養育費算定表」を作成し、公表しています。実務ではこの算定表が広く用いられ、調停や裁判でも目安として重視されます。
算定表の見方と使い方
それでは、実際に養育費算定表を使てみましょう。
養育費の算定表は裁判所が公開しているのでこちらから閲覧してください。
① 子どもの人数と年齢を確認する
算定表は、子どもの人数と年齢によって複数の種類に分かれています。
まず、子どもが何人いるのかを整理し、次に0~14歳と15歳以上に区分して人数を把握します。
この組み合わせによって使用する算定表が決まるため、最初に正確に確認することが重要です。
② 両親の職業・年収と立場を整理する
養育費を支払う側を「義務者」、受け取る側を「権利者」といいます。
それぞれがサラリーマン(給与所得者)か自営業者かで使用する表が変わります。
また、双方の年収を確認することも必要です。
調停や裁判では、年収の捉え方が争点になることも多いため、源泉徴収票や確定申告書など客観的な資料に基づき把握することが求められます。
③ 実際に算定表で金額を探す
算定表を使う際は、まず義務者の年収を縦軸から探します。
見つけたら、義務者の年収の位置から右に線を引きます。
給与所得者と自営業者では区分が異なるため注意が必要です。
次に、権利者の年収を横軸から探します。
同じように、権利者の年収の位置から上に向かって線を引きます。
こちらも自営業者かサラリーマンかで区分が異なるので注意してください。
二つの線の交差点に支払額の目安が記されています。
これが、一般的に参考とされる養育費の範囲です。
④ 金額の最終決定は個別事情で調整
算定表の金額は「8~10万円」のように幅を持って示されます。
この幅の中で、実際の事情に合わせて調整します。「枠の下限だから自動的に8万円」といった単純な決め方ではなく、夫婦の実情に合わせて調整していきます。