計算書類の比較方法

計算書類の意味を覚えても、自社の今期の数字だけを見ていては何も分かりません。
計算書類を分析する場合には、比較することによって分析することが基本になります。
この比較においては、時系列での比較同業他社との比較が基本になります。

時系列での比較

時系列での比較は、自社の以前の数字と今期の数字を比較するものです。
例えば次のような比較をすることになります。

前期今期
売上高100,000150,000
売上原価60,000100,000
売上総利益40,00050,000

この会社の場合、売上高は1.5倍になっており、順調に売り上げが伸びているように見えます。
しかし、売上総利益は1.25倍にしかなっておらず、売上高の伸びに対して利益が伸びていません。
その原因は、売上原価が約1.7倍と売上高の伸び以上に増えていることが原因であることが分かります。

そこで、売上原価が大きく増えてしまった原因を検討する必要があります。
原因に心当たりがあり改善される見込みがある場合には問題ありません。
しかし、原因に心当たりがない場合には、無理をして売り上げを増やしたために原価が大きくなっている可能性があるので、原因の調査と改善が必要になります。

同業他社との比較

同業他社との比較は、各分析指標の数字を同業他社の平均値などと比較するものです。
同業他社の数字については、民間の調査会社や政府が調査結果を公表、発刊していますのでそれを利用します。
例えば次のような比較をすることになります。

同業他社自社
売上高営業利益率15%12%

この会社の場合、売上高営業利益率が同業他社と比較して低くなっており、収益性が低いことが分かります。
そこで、仕入れコストや販売コストが過剰になっていないかなどの調査を行って改善を目指すことになります。

注意点は、他社と比較して数字が優れていても、望ましい状態であるとは限らないということです。
例えば、他社がリスク回避のために防犯や貸倒れ防止のための費用を支出しているのに、自社はその費用を支出していないような場合には、見かけ上は自社の方が収益性が高く見えます。
しかし、内在しているリスクを無視している状態ですので、リスクが顕在化した時に経営が悪化する危険があります。