BitTorrent(トレント)の仕組み|ダウンロードが違法アップロードになる理由
ダウンロードを始めると、利用者の操作や意思とは関係なく、自動的にアップロードも行われる仕組みです。そのため、「ダウンロードしただけ」のつもりでも、違法アップロードの責任を問われる可能性があります。
BitTorrent(トレント)でダウンロードしただけのつもりが、知らない間にアップロードまでしていた——そのことを後から知り、不安に感じてご相談に来られる方が増えています。この記事では、BitTorrentがどのような仕組みのソフトなのか、そしてなぜ「ダウンロードしただけ」で違法アップロードに関与することになるのかを、弁護士がわかりやすく解説します。
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なぜダウンロードだけで終わらないのか、その仕組みを順に見ていきます。違法アップロードになる理由を見る
BitTorrent(トレント)とは何か
BitTorrentに関する損害賠償の問題を理解するうえで、まず大切なのが、BitTorrentがどのような仕組みのソフトなのかを知ることです。ここでは、その基本的な特徴を整理します。
P2P型のファイル共有ソフト
BitTorrentは、インターネット上でファイルをやり取りするためのソフトの一つで、「P2P(ピア・ツー・ピア)」と呼ばれる仕組みになっています。
一般的なホームページからのダウンロードでは、ファイルを提供しているサーバ(大元のサーバ)と利用者のパソコンがつながり、サーバが一方的にファイルを送る「クライアント/サーバ型」と呼ばれる形です。これに対してP2P型では、利用者同士(ユーザー同士)のパソコンが直接つながって、データのやり取りをします。
ファイルを提供しているサーバと利用者のパソコンがつながり、サーバから利用者へ一方的にファイルが送られます。利用者は、ファイルを受け取る(ダウンロードする)だけです。
利用者同士のパソコンが直接つながり、互いにファイルを送り合います。そのため、ファイルを受け取る(ダウンロード)と同時に、他の利用者へ送り出す(アップロード)ことにもなります。
BitTorrentはこのP2P型のファイル共有ソフトで、ユーザー間で映画・アニメ・ゲーム・成人向け動画などのやり取りに利用されています。
小分けにしたファイルのアップロードを行う
BitTorrentでは、一人のユーザーがデータ全体をまとめてアップロードするわけではありません。一つのファイルを小さく分割し、複数のユーザーがそれぞれ別々の部分を送り合うことで、全体としてファイルが行き渡る仕組みになっています。
つまり、自分がダウンロードしたファイルの一部を、同時に他の利用者へ送り出している、という状態が生まれます。この点が、後ほど説明する「ダウンロードしただけでも違法アップロードになる」という問題につながっていきます。
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「ダウンロードしただけ」でも違法アップロードをしている
ここからは、なぜ「ダウンロードしただけ」のつもりでも違法アップロードに関与することになるのか、その理由を順に見ていきます。
BitTorrent(トレント)はダウンロードとアップロードを両方行う
BitTorrentは、アップロードに協力するユーザーと、ダウンロードだけを行うユーザーが分かれているシステムではありません。ダウンロードを行うと、自動的にアップロードにも協力する仕組みになっています。これによって、ダウンロードだけして提供する側に回らない「ただ乗り」のユーザーが生じないようにしているのです。
利用者の意思とは無関係にアップロードに関与する
BitTorrentでは、ファイルのダウンロードを始めると、アップロードのための操作を自分で行わなくても、自動的にアップロードが始まります。そのため、自分はダウンロードしかしていないつもりでも、実際にはアップロードにも関与している状態になります。
「自分はファイルをダウンロードしているだけ」というつもりでいます。
ダウンロードと同時に、自動的にアップロードも行われています。本人にアップロードしている認識がなくても、システム上はアップロードに関与している状態になります。
「アップロードしない」設定は、原則として用意されていない
BitTorrentでは「ただ乗り」を防ぐため、ダウンロードだけを行ってアップロードはしない、という設定は原則として用意されていません。そのため、BitTorrentを使用している以上は、アップロードにも関与していることになります。
BitTorrent(トレント)を利用していれば違法アップロードをしていると考えてよい
このように、BitTorrentはダウンロードをする以上、アップロードにも関与する仕組みになっています。さらに、こうしたソフトは、その多くが著作権を侵害する違法なダウンロードを目的として使われています。そのため、ダウンロードと同時に行われるアップロードも、当然に違法なものとなります。
したがって、BitTorrentを利用していれば、自分自身も違法アップロードを行っていると考えて差し支えありません。「ダウンロードしただけ」という認識であっても、著作権者から損害賠償を請求される対象になり得るのです。
まとめ
BitTorrentは、利用者同士がファイルを分担して送受信するP2P型のファイル共有ソフトです。ダウンロードを始めると、利用者の操作や意思とは関係なく自動的にアップロードも始まる仕組みのため、「見るために落としただけ」「ダウンロードしただけ」のつもりでも、違法アップロードの責任を問われる可能性があります。
一方で、仕組みを知ったうえで「自分はダウンロードしただけだから問題ないはずだ」と自己判断して書面を放置したり、逆に不安から相手の言うままに対応してしまったりすると、かえって不利な立場に置かれてしまうおそれがあります。実際にどの程度の責任を問われるか、どう対応するのが適切かは、ご事情によって変わります。プロバイダや著作権者から書面が届いた方は、放置せず、一度弁護士へご相談ください。状況を伺えば、今後の見通しと適切な対応をお伝えできます。
この記事の執筆者
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