赤字でも生産する理由

不景気やコロナ禍などで利益が上がらない場合でも、企業は生産を続ける場合があります。
これはなぜでしょうか?

損益分岐点

黒字と赤字が分岐するときの売上高を損益分岐点と言います。
損益分岐点を下回る売上しか上げられない場合には、経営を行っていても赤字になってしまいます。

では、損益分岐点を下回る場合には生産を行わない方がよいでしょうか?

閉鎖点

企業が生産活動を行わない場合でも、固定費による支出は発生し続けます。
例えば、工場の維持費や、従業員の賃金(休業補償)などの支出は発生し続けます。

生産活動によってある程度の売上を上げられる場合には、損益分岐点を下回っていても、固定費を回収できる分、何も生産しないよりは赤字を小さくできます。
つまり、たとえ赤字であっても、赤字額を小さくできるという意味で生産活動を行う意味があると言えます。

さらに売上が下がると、生産によって固定費の回収以上の損失が発生することになり、生産活動を行わない方が損害が小さくなります。
このような点を、閉鎖点と言います。

なお、閉鎖店を上回っていても、赤字であることには変わりがありません。
売上の改善の見込みがない場合には、固定費の削減を検討する必要があります。